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「芝しごと・ターフプール」リリース

  • 執筆者の写真: Growth and Progress
    Growth and Progress
  • 5月13日
  • 読了時間: 6分

高価な測定機器を使わずに芝生の活性を測定できないか?

グラフの点や線だけでなく『芝面』上に表現できないか?

という問立てから、このアプリを作り始めました。


▼芝しごと・ターフプール



高価なカメラでないとどうしてもNDVI(正規化差植生指数)の測定はできません。

スマホのカメラで測定できる植物の活性はないかと調査をしたところ、

VARI(可視大気抵抗植生指数)

というものを見つけました。


VARIはRGB(可視光)カラー画像を用いて植生の活性度や繁茂状況を評価する指標です。赤外線センサーを使わず、一般のドローンカメラなどで撮影された画像から算出できるため、低コストで迅速な栄養診断や生育モニタリングに活用されているものでした。


ヨシ!これだ!!ということで、頑張って作ったのがこのアプリです。


このアプリはサッカーグラウンドなどの矩形エリアの5か所の写真を撮って、芝の活性をビジュアライズするものです。9か所や14か所の撮影も考えましたが、使い勝手も考えて5か所に留めました。(最初アプリ名にJazzの名曲にちなんで「Take Five」なんてのを考えてましたww


枕はこの辺にして、アプリを解説します。


A. 課題: 俯瞰一枚ではムラが見えにくい/数値の共有が難しい


芝管理では、グラウンド全体を見渡す「俯瞰」はとても重要です。

ただ実際には、

  • 四隅だけ弱っている

  • センターだけ踏圧が強い

  • 一部だけ乾燥している

  • 刈込の粗さが局所的に出ている

といった「局所差」が問題になることが少なくありません。


しかし、これを

  • “感覚”

  • “なんとなく”

  • “経験則”

だけで共有しようとすると、担当者間で認識がズレやすくなります。


そこで、

  • 定点

  • 同条件

  • 数値化

  • 空間可視化

を組み合わせ、「芝面」を見るためのツールとして作ったのが「芝しごと・ターフプール」です。


B. 解決の考え方: 定点5枚+指標+空間的可視化


このアプリでは、ピッチの

  • 左上

  • 右上

  • 左下

  • 右下

  • 中央

の5地点を撮影します。




各地点の写真から、

  • 芝被覆率(GCP)

  • 芝緑度(ExG)

  • 芝活力度(VARI)

  • 色均一性(Color Uniformity)

  • 芝面品質(Texture Quality)

の5種類の指標を算出。


さらにその5点をピッチ上に補間し、

「プール状ビュー」

として3D可視化します。


単なるヒートマップではなく、

  • 高さ

  • 面のうねり

として芝状態を見ることで、

「どこが沈んでいるか」

を直感的に把握できるようにしました。


C. デモ操作: サンプルでプールを開く(30秒)

初回アクセス時には、すでにサンプル画像が入っています。

そのため、

  1. アプリを開く

  2. 「プール状ビュー」を押す

だけで、すぐに動作を確認できます。


その後、各地点を自分の現場写真へ差し替えることで、実際のグラウンド解析に利用できます。


操作としてはかなりシンプルです。


D. 実運用: 撮影条件を揃える、同じ地点を踏む


このアプリは「絶対評価」より、

同条件での相対比較

を重視しています。


そのため、撮影条件をできるだけ揃えることが重要です。


おすすめ条件は:

  • 芝面から約50cm

  • 真下撮影

  • 影を避ける

  • 白線を入れない

  • 足先を入れない

  • 毎回同じ地点を撮影

です。


特に、

「同じ場所を、同じように撮る」

ことが非常に重要です。


露出やホワイトバランスが大きく変わると、植生指数も変化してしまいます。

逆に言えば、条件を揃えるほど、時系列変化がかなり見やすくなります。


E. 指標を1つずつ噛み砕く


① 芝被覆率(GCP)

芝らしい色の画素が、画像内にどれくらい存在するかを割合で示したものです。

イメージとしては:

  • 高い → 芝が詰まっている

  • 低い → 裸地や土が多い

という感じです。

更新作業後の回復や、夏越し後のダメージ確認などにも使えます。


② 芝緑度(ExG)

ExG は「緑の強さ」を見る指数です。

ざっくり言えば、

“どれだけ芝っぽい緑か”

を見ています。

退色や黄化、乾燥ストレスなどに比較的敏感です。

局所的な肥料ムラなども見えやすい特徴があります。


③ 芝活力度(VARI)

今回のアプリの中心とも言える指標です。

VARIは、可視光だけで植生活性を評価するための指数で、

  • 活性

  • vigor

  • 元気さ

のようなものを見るイメージです。

NDVIのように赤外線カメラを必要とせず、スマホ写真でも計算できるのが大きな特徴です。


④ 色均一性(Color Uniformity)

芝面の「色ムラの少なさ」を0〜100で表現しています。

高いほど均一。

低いほどムラが大きい。

例えば:

  • 部分乾燥

  • 局所ストレス

  • 軽微な退色

などがあると、数値が下がりやすくなります。


⑤ 芝面品質(Texture Quality)

芝面の滑らかさ・均一さを見る指標です。

細かな明暗変化を解析して、

  • 滑らか

  • 粗い

  • 刈込ムラ

  • 荒れ感

を数値化しています。

今回、個人的にはかなり面白い指標になったと思っています。


F. プールの見方(色・高さ・四隅と中央の対応)


プール状ビューでは、

  • 高い値 → 緑〜青

  • 中間 → 黄色

  • 低い値 → 赤

で表示されます。


さらに、数値が高い場所ほど水面が持ち上がり、低い場所は沈みます。

つまり、

「どこが落ち込んでいるか」

を視覚的に理解できます。


Texture Quality を選択した場合は、低品質部分にザラつき表現も加えています。

また、

  • 左上

  • 右上

  • 左下

  • 右下

  • 中央

の5点から、ピッチ全体へ値を補間しています。


そのため、

「どのエリアが弱い方向なのか」

が直感的に掴みやすくなっています。


G. プライバシー(ブラウザ内完結)と限界(絶対評価ではない)

このアプリの解析は、

ブラウザ内だけ

で完結しています。


画像をサーバへアップロードして保存する処理はありません。


そのため、比較的気軽に現場写真を扱えるようにしています。


ただし、このアプリは:

  • GIS解析

  • 医療診断のような絶対判定

  • AIによる病害同定

を目的としたものではありません。


あくまで、

「同条件での比較」

を支援するためのツールです。


撮影条件が大きく変わると、指数も変化します。

そこはぜひ、

「定点観測ツール」

として使っていただければと思います。


H. 技術メモ: Vite, React, three.js, クライアント解析


今回のアプリは、

  • Vite

  • React

  • TypeScript

  • three.js(React Three Fiber)

を使って開発しました。


画像解析は OpenCV を使わず、Canvas のピクセル走査で実装しています。


また、サーバ側処理を極力減らし、

  • ブラウザ内完結

  • 軽量

  • 無料PaaS運用

を重視しました。


3D部分は three.js により実装しており、ピッチ全体を「水面」として扱うことで、単なるグラフとは違う“芝面感”を出せたと思っています。


最後に...


もし実際に使ってみた感想や、

  • ここを改善してほしい

  • こういう指標も見たい

  • ゴルフグリーン版が欲しい

などあれば、ぜひ教えてください。

 
 
 

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